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晴明とて頭では理解していた
博雅は殿上人
自分とは違い、皆に好かれている
上からの信頼も厚い
宮中の行事やら遊びやらで忙しい事だってあるだろう
それは仕方のない事だ、と
しかし、一度人の暖かさを知ってしまった晴明の心は、それを受け止められない
壊れてしまいそうなほどに、博雅を恋しく思っていた
一目で良いから会いたい
名前を呼んで欲しい
抱き締めて欲しい
時が経つにつれて、願いは大きくなり、思いは深くなり
ポロリと、一筋の雫が頬を伝った
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