好きだから

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その夜 博雅は一人、悲しみに暮れながら笛を吹いていた 屋敷中に響き渡るどこか物悲しい音 楽に夢中になっているときは何を言っても駄目だという事を知っている家臣達が、博雅に声をかけることもなく しばらくそうしているうちに、博雅の胸には様々な思いが込み上げてきた 晴明は何故、自分を避けているのだろうか 何か気に触ることでもしてしまったのか 嫌われてしまったのだろうか 考えれば考えるほど、自らが出している悲しい調べも相俟って ポロリと一筋、博雅の頬を涙が伝った .
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