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「賢治が死んだときお前は何してた…ただお偉方とくっちゃべってただけじゃねえのか?!」
「あんた、やめなよ!」
「き…貴様ぁ!!俺を愚弄するかぁ!!」
おばさんの制止も聞かず、俺達は殴り合いになった。
「敵軍相手に無様に怪我をした貴様に、とやかく言われる筋合いなどないわぁっ!!!」
「じゃあお前らはこの戦況を変えられんのか?!!こんな村まで爆撃する余裕のあるあいつらを倒せんのかよ!!!」
ふと、振り上げた拳を止め外崎は震えながら涙を流した。
「…貴様に言われずともわかったいる…!このままでは日本軍は負ける…だが負けるなど口にできるか?!…貴様はどうか知らんが、俺には愛する家族がいる…その家族を易々と敵に奪われるのだ!!そんなことに耐えられるか?!…たとえ我々は望みがなくとも負けられないのだ!!!」
その時、軍人・外崎は愛する人間を守る1人の男だった。その眼差しはまさに鬼の形相だった。そして、この時俺の中で何かが動いた。
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