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そこは海軍のキャンプ地だった。
多くの日本兵が訓練をしている。
「お前は志願兵という形になる。今から橋本中将のところに挨拶に行く。くれぐれも態度には気を付けろよ」
さすが、お偉方の場所である。一般の民家とは雲泥の差といったところか…
「失礼いたします!」
戸を開け中に入ると、護衛兵2人に挟まれ、いかにも人の良さそうな老人が座っていた。
「橋本中将、本日は私の友人であり、優秀な技術を持った軍人を紹介に預かりました」
「は?(優秀?)」
「ほぉ…名前は?」
「あ…今村…と申します」
「今村か…わかった、川崎、よろしく頼んだぞ」
「はい、失礼しました」
「し、失礼しました」
「これでお前も日本軍の軍人だ…訓練で死ぬなよ?」
ニヤニヤしながら川崎は皮肉った。
「へ、てめえこそ」
-ガシッ-
2人はお互い近付くと、固く腕を組んだ。
「…今村のおばちゃんとの約束、忘れてはいまいな?」
「生きて戦争から帰る…だろ?」
「絶対に…死ぬなよ」
「あぁ」
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