運命

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      木造建ての兵士寮、学校の教室よりも少し大きい程度の会議室に、ゆうに100人を超える兵隊が集合し、異様な熱気に包まれていた。         -ガチャ-       入ってきたのは、鬼教官と影で恐れられる黒沢だった。 同時にざわめきが起こる。     「静かに!!!」       一瞬にして、時が止まったかのような静寂が部屋を包む。         「先ほども言ったようにお前達に重大な報告がある。これから言うことは、大日本帝国の運命をかけた、我々にとっても大変喜ばしいことだ!」           「教官、それは何でありますか!?」   隣のいかにも国家の虫のような男が、突然声を張り上げる。       「それは…特攻である…!」       「特攻…?」   会議室はどよめきに包まれた。黒沢は今度はそれを制止することもなく、話を続けた。       「特攻は、主に2つ。航空機に爆弾を搭載、敵鑑に特攻する。もう一つは我々が魚雷に乗り、自ら魚雷を操縦、敵鑑に特攻する方法だ。今から紙を配布する。自分の名前を記入、そして特攻を志願する者は○、しない者は×を書け。お前達の命がかかったことだ、強制はしない。自分の意志で書け。」      
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