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「特攻か…いよいよだな!」
「あぁ、俺は今までお国の為に何もできなかった…やっと日本国のために命をかけられる!」
「お前はどうする?」
「○に決まっているだろ!誰がこの素晴らしい機会を逃すものか!」
俺は×だ。…ここまでくると、こいつらが憎らしく思えてくる。所詮は勝ち目のない戦争、抵抗と命を捨てることは違うだろうに…
「………」
ふと前を見ると、震えながら×を書こうとしている男がいる。少しはまともな感覚の人間がいたのか…
「それでは回収する。各部屋長は紙を集めろ!」
先ほどの男は、明らかにビクつきながら紙を渡した。自分の命がかかっている…というよりは死にに行くのだ。当たり前のことだろう…
「………」
黒沢は時々顔をしかめながら、黙々と目を通している。
そして、突然机に紙を叩きつけた。
「………」
会議室に再び不気味な静寂が訪れる。
そして、黒沢は口を開けた。
「お前達、私はとても嬉しい…全員一致、特攻志願だ!」
……何だと!?
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