目覚め

2/3
前へ
/81ページ
次へ
    痛っ!…      …眩しい…どこだ?     「おい、目を覚ましたぞ!」     誰だ?…まだどこか幼い…   「…誰だ」     「?俺は今村賢治だ、お前さん酷いケガで倒れとったんだで」       そうか…俺は戦地で…   戦地?…どこの…     「あんた…なんか兵隊さんみてぇだけど、どっから来たんだ?」     「わからない…何も思い出せない…」   「ホントか…?名前も?」   「思い出せない…」     「そっか…」     「賢治!」       少し立派な体格の女性が現れた   「あんた、兵隊さんに向かってなんて口の聞き方…兵隊さん、目が覚めたのかい?」     「あ…えぇ、まだ痛いですがなんとか…」   「母ちゃん、この人、なんも覚えとらんらしいよ…」     「まぁ…本当かい?」     うなずくことしかできなかった     「なぁ母ちゃん…俺父ちゃん死んでもうて寂しかったんよ、兵隊さん俺の兄ちゃんにしたってあげて!」     「えっ?!」 思わず口から飛び出してしまった。突拍子もないな…ん?     「父親…亡くなったんですか?」    
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加