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「どこに行ってたんだ?」
「軍人会議だ…どうやら大本営はポツダム宣言を棄てたらしい…」
ポツダム…宣言…
「なんだ、それ…」
「…日本の無条件降伏についてのことだ…」
「…」
そうだ…日本は降伏しない…戦争は続くんだ…
外崎は、ため息をはきながら腰を下ろし、寝転がった
その目は、遠くを見つめていた
「今村…俺は大切な人を守りたい一心で入隊した。しかし…俺は今まで一体何ができた?俺がこうしている間にも同じ国民が血を流し、死んでいく…」
「…」
何も言えなかった
外崎の一言一言が、胸に突き刺さる
この毎日、俺は何も考えずに過ごしていた
しかし、一方で国民は厳しい規制を受け、その日その日を命がけで生きているのだ…
確かに、俺達は特攻隊員
言ってしまえば、死刑囚のようなものだ
それに甘えていたのだろうか…
毎日が死と隣合わせ…それは国民も同じではないだろうか…
忘れかけていた現実
一気にこの胸を締め付けた…
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