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「今村…海に行かないか?」
「海?!」
あまりに突拍子もないことに思わず声が裏返った
「耳を澄ませて聞いてみろ、波の音が聞こえるだろ?」
耳を澄ませて聞いてみる…確かに音がする
気が付かなかったが、微かに潮の香りも感じた
「どうせ何もする予定はないんだろう?行くぞ!」
「お、おい!!」
それは今まで見たことのないような、あまりに無邪気な外崎だった
軍人としての責任感
家族を守らなくてはという重圧
死への恐怖
それら全てから解き放たれたかのような外崎の表情は、あまりに幼く、そして明るかった…
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