情愛

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    「痛っ!!」   「兄ちゃん!?」   「大丈夫かい?!あんた…!」       それからしばらく、眠っていたようだった       「…ん…」   「気が付いたかい?」     「…俺は……」   「驚いたよ…いきなり倒れて、かと思ったらそのまま寝ちまってんだから」     「そうですか…」     何か夢を見ていた…悲しい…恐ろしい夢を…だが思い出せない…       「…うちの父ちゃんはね、真珠湾攻撃の時に真っ先に爆弾を落としたパイロットだったんだ…あん時は国中大騒ぎだったけど、…今となっちゃ毎日敵に怯えてなきゃならん。」     「……」     「戦争なんかやるもんじゃないんだよ…あんたも…ずっと生きとってな」      「…お父さん、名前はなんていうんですか?」       「今村誠一さ…」     …今村…誠一      
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