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戦争が憎い。
アメリカが憎い。
社会が憎かった。
賢治が空襲で死に、俺は何をするにも身が入らなかった。
胸にポッカリと空いた穴を、何をしても埋められなかった。
「あんた…あんた!!」
「…え?…あ…」
「…賢治のこと考えてくれるのは嬉しいよ…でも腑抜けになってちゃ賢治も悲しむだろ?」
「………」
その日もいつもとなんら変わらない…村の復興を手伝っている所だった。この日…大きな転機が訪れたのだった。
-ブロロロロッ…-
「ん…?」
「あれは…外崎さんちの息子さんや!」
「外崎…?」
外崎は若くして海軍将校で、この村出身の軍人だそうだ。近くで軍事会議があり、知らせを聞き急いで来たらしい。
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