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桜の花びらがはらはらと舞い散る。
春である。
舞い散る花びらの中に少年がいる。
ワックスで立たせた黒髪に黒縁の眼鏡
健康的な肌の色。
桜をまっすぐ見つめる瞳は深く澄んでいる。
「桜の花って、綺麗だったんだぁ…」
少年は感動した様子で立ち止まり、桜を眺めている。
「やっと受験勉強が終わったから、3割増にきれいに見えるのかもしれないな…はぁぁ、長かったよ受験戦争…っ」
少年は肩を落として呟く。
「でも!今日から晴れて青嵐高校いちねんせいだ!みたか!中学の優等生どもめ!わはははは…」
高笑いしながら視線をふと移すと、
同じく黒髪の男が立っていた………
うわぁ…
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