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何となく、分かってた。
この恋はもう終わりだなぁってさ。
でも気付かないふりをしてた。
いや……気付きたくなかったんだ、きっと。
でも別れは必ず来るもの。
離れてくもの。
避けられないもの。
「由佳里」
「うん……孝太の言いたいこと、分かるよ」
「………ごめん」
「謝らないでよ」
はにかんだ君。
悲しいはずなのに、とても綺麗で輝いていた。
「……さよなら」
口にした途端、身体の中の何が駆け抜けた気がした。
ビリビリとした痛みが、胸を貫く。
たった四文字の言葉がこんなにも苦しくて、辛くて……。
初めてこの言葉がの重みを知ったよ。
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