決心と逃走

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いや。 もう気にする世界じゃないよ。 私はただ、幸せな平凡な生活がしたいダケ。 姐さんと呼ばれた月日。 こんな私を全力で愛してくれた人。 今デモ目に焼き付いて離れないあの光景。 一つの命を宿した時の幸せだった時間。 その命を守りぬく事ができなかった最低な私。 人間ってナンテ儚い物なんだろうと感じた時。 人間ってナンテ弱い生き物なんだろうと実感した日々。 私は普通の子に戻る… 綺麗な物を綺麗な目で見たい。 <<姐さん>>じゃなく名前で呼ばれたい。 私には親が付けてくれた大切な名前がちゃんとあるんだから… 私は私でいたい… そして、この地に戻って全て落ち着いてきた頃。 仕事を探し始めた。 もう普通の仕事はいくら面接しても受からない。 職歴が歳のわりに少ない為。 (ノ_・。) 『ここに来るマデの間は何してたんですか?』 『…短期のアルバイトや、家事手伝いです…』 私にはこう答えるしかなかった。 何ヶ月もこれの繰り返しで、結局生活していく為には夜の仕事しか残ってなかった… 私の新たな人生は、またここカラ始まってゆく…
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