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妹は必死に私に抱きついていた。
「おねぇちゃん。こあい??」
「うん、ちょっとね」
私の目をじーっと見つめ、頭を撫でる妹。
私はシッカリ為なければいけないと悟らされた。自分も怖いであろう筈のまだ3歳の少女に元気付けてもらっているようでは姉として頼りない。
薄暗い部屋の中には時計が無かった。
この場所に連れられて来た人たちが所持していた物は全て外されているので誰も時間は分からない。
「お腹空いたぁぁあ!!」
「うっせ!!糞女」
女の人が叫ぶと、男の人がけなした。
皆とにかくお腹が空いてイライラとしているのが端からみてもよくわかるのだった。
「おねぇちゃん…お腹すいたね」
「うん。でも、きっとお母さんが探してくれているよ!!だから、我慢しようね」
「…うん!!あたしがまんできるよ♪」
此方を向きニッコリと微笑むむ妹の頭を私は撫でた。
ちょうどその時だった。
天井から吊り下げられているスピーカーからキィーンと嫌な機械音楽が流れてきた。皆、一斉に耳を塞ぐ。
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