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足がすくむ。鼓動が速くなる。
「いやぁぁあぁあああ」
私は妹を抱き締め必死で守ろうとした。
双子の男女も弟を守ろうと必死にあがいている。
しかし、4人居た大人は…一人が一人を捕まえ、3人で私達を押さえ付ける。
そして…残った一人が、小さな男の子と女の子を殺害する。
拘束されている手。自由に動かない体がもどかしい。見ているだけしか出来ない自分が不甲斐無い。
細い首を両手で捕まれ、力を入れられる。
必死に出すうめき声。必死に出す命乞い。
その命乞いすら聞こうともしない無神経な大人は更に手に力を加える。
必死にもがく小さな手。 その手により殺害を執行している男性へ付けられた無数の傷。
其が…小さな小さな命の『生きたい』と云う訴えの現れの様にも思える。
その日。2つの小さな命が絶え果てた。
今まで一緒に居た温もりが消えた。今まで一緒に笑いあっていた声が、笑顔が何処を探そうともう無い。思い出の中にしか存在しない。
「うわぁああぁぁあああ。…やだ…やだ…やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ…嫌ぁあああぁあああぁぁぁあ…」
私はその日。世界にたった2人しか居ない肉親の一人を失った。
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