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「可愛いお客様ね、暗ちゃん隅に置けないじゃないの?」
大人っぽい服で身を固め、鞄を肩から下げた依頼人は偶然訪れていたアケミ(厚化粧に全身ヒョウ柄装備)に圧倒されながらもしっかりとした足取りで事務所の中に入ってきた。
「ここ……屋代探偵事務所で良いんですよね?」
「そうですけど何か?」
手早くインスタントコーヒーを入れた暗司が依頼人の顔を覗き込むと何やら信じられない物を見た顔をしている。
「まさか屋代さんがそういう趣味の方だとは思わなかったもので……」
やはり怯えたような視線をアケミに向けるが依頼人の勘違いに暗司が気づいて訂正する。
「そっちじゃなくて俺が所長の屋代 暗司です。所長兼所員ですけども……」
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