決意の夜

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 もう後戻りが出来ないと思った。その一言が俺を変えたように感じた。  恵子と出会ってから恵子を求めていたわけではないのに、電話の女から恵子を守ろうとしただけなのに、今は恵子を求める事まで考えてる。そんな自分に恐怖しながらも、恵子が俺を求め続けてる中で俺は理性を失っていた。  今夜どうなっていい。この後の事もどうでもいい。自暴自棄に走ってもたった今だけでも触れ合いたい感情は高鳴り、恵子と裸で触れ合った。 「剛斗。好き。ずっと傍にいて」  恵子の声色も艶やかになり、何度も俺の名を呼んだ。俺も恵子の名を何度も呼んだ。頭の中が真っ白になりながらも、時間までも気にせずに体は求め合い続けた。  そして俺は決意した。恵子は俺が守ると。
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