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ある悪魔は天使に恋をしていた。
しかし天使には、恋人がいた。
そこで悪魔はどうにかして二人を別れさせようとした。
しかし悪魔が考える以上に二人の愛は深く、どうやっても別れさせることはできなかった。
そこで悪魔は最後の手段として、天使の恋人を殺すことを決意した。
天使に気付かれないように、しかし確実に殺せる方法。
考えるうちに悪魔は毒殺を思いついた。
姿を見られなければ気付かれることもない。
ただ天使の恋人に毒を飲ませるだけ。
早速悪魔はその作戦を実行に移した。
あっけなかった。
簡単に、天使の恋人を毒殺することができた。
天使は悲嘆に暮れていた。
悪魔はその姿を見て、とても後悔した。
その時悪魔は初めて気付いたのだ。自分は天使のその恋人に向けられる、幸せそうな笑顔に惹かれていたのだと……。
その笑顔をうしなわせてしまったことに悪魔は後悔し、罪を償うことを決心した。
だが、罪を償うと言ってもどうするのか…。
悪魔は天使にすべての真実を教え、何を聞かれても素直に答え、そして天使の目の前で――――――――――――――死んだ。
天使はさらなる悲嘆の淵に立たされた。
天使は悪魔を改心させるつもりだった。
なのに、また自分の目の前で死んでいった。
天使は悲嘆に暮れた。やがて―――――――――――自殺した。
あなたには天使の悲しみが理解できますか?悪魔のとった行動はすべて天使への愛ゆえ。まるで、天使のような悪魔だと思いませんか?
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