96人が本棚に入れています
本棚に追加
話し終えるとデアールはゴソゴソと動く。するとデアールの上に、キラキラ輝いたピンク色のハートが出てきた。
「これが8つあるピュアハートのうちの1つであ~る。お主が“白のヨゲン書”に書かれとる勇者であることは間違いない、つまりノワール伯爵を倒し、世界を救えるのはお主だけなのであ~る! マリオよ、どうかこれを受け取り世界を救ってくれ!」
「えっ! ああ、はいはい! わかりました」
いきなり話をふられてビックリのマリオ。
「そうか! さすがはヨゲン書にうたわれし勇者! 物わかりがバッチリはや~いであ~る!」
「ははは、そりゃどうも……」
実はあんまりわかってないマリオだった。
「では…………ゴホン。さぁ勇者マリオよ! これを受けとるであ~る!!」
そう言うとピュアハートがデアールから離れ、マリオのもとに。
ピュアハートゲット!
マリオはピュアハートを手に入れた。
「というわけで勇者マリオよ、さっそく最初の使命であ~る。ピュアハートをこの街ハザマタウンにあるハメールストーンにはめてくるのであ~る。ハメールストーンへはアンナが案内してくれるのであ~る、さぁ行ってくるであ~る!」
「こっちよ……」
「はいはい!」
マリオはなにやら勝手にお話が進んでいて、追いつくのに必死の様子。
とにかく、そのハメールストーンのところまで行くことにする。
この街は階段がなく、全てエレベーターで移動するみたいだ。マリオが最初にいたところはハザマタワーというところらしい。エレベーターで下に降りると“こっちよ……来て……”とアンナが呼ぶ。
そしてまたエレベーターで上にあがるが、今度はタワーではなくハザマタウンの三階にでる。
「ハメールストーンはこの先……」
アンナに言われた通り道を真っ直ぐ進むと、白い長方形の大きな石が。真ん中あたりにハートの形をしたくぼみがある。
「これがハメールストーン、さぁ近づいてピュアハートをはめて……」
「おう」
マリオがハメールストーンに近づくと、勝手にピュアハートがふところから出てきてくぼみにはまった。
一瞬石が光り、思わずマリオを腕を顔の前にもってきて目をつぶる。少しずつ光りはおさまってきた。
「1つのピュアハートは次なるピュアハートへの扉を開き、勇者を導く、さぁデアールのところへ戻りましょう……」
マリオはまたハザマタワーを目指す。
最初のコメントを投稿しよう!