私をリンクに連れてって!    【後編】

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「聞きたいことが山ほどある。今日は行かせない。」 そう言ってまっすぐ射るように見つめるものだから、バンビの涙も驚きで思わず引っ込んだ。代わりに胸が高鳴って困る。 「それってどういう…、」 言いかけたのをさえぎるように、高真は荷物と右手をひったくると、もう用無しとばかりにさっさとロビーから連れ出してしまう。 「今まで散々こき遣われてるんだ。たぬきジジイは1日ぐらい待たせとけ!」 「もう…! 強引過ぎますよぉっ…」 どんよりと重たかった枷を払拭して、仕切り直した2人には、あたりまえの笑顔がもどっていく――――。 「あ。帰ったらアレ朗読してみせろよ?」 「い、嫌ですよ! 書くだけでもすごく勇気がいったのに! 先輩こそ、私のどこが好きかちゃんと言ってくださいよ!」 「バーカ。オレの告白は高いんだ。対価をとられる覚悟はしとけよな。」 「ずる―い! なんですかそれ!」 また、高真が笑う。口では文句を言いながらもまんざらでもない様子で、バンビは頬を赤らめ手をひかれていくのだった。
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