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震える指先[3Z銀土]
指先が触れた、それだけだった。
緊張して言葉が出なかった。
無言のまま、何かを確かめることもなくそっと唇を重ねた。
赤くなった顔を、夕陽のせいにした。
「多串君」
「土方です、銀八せんせー」
傾いた陽が空を真っ赤に染めぬいた、放課後の教室。射し込む夕陽で教室内もほんのりとオレンジ色に染まる。
人気のない教室の、窓際の席に二人は座っていた。机に対して体を横にして座り、机を挟んで互いに顔を背けた。
「……土方」
「何だよ」
「顔、赤いよ」
「るせぇよ。アンタこそ…」
「これはアレだ、ほら、何だ…」
「わかんねぇよ、バカ」
触れた唇に、何故か感触が残った。ガキみたいなキスなのに。
目は合わせないまま、銀八は机の上に投げ出された土方の手に自分の手を重ねてみる。暖かくて、それだけで妙に緊張した。手が、震えた。
やはり何も言わないまま、ようやく視線を合わせて。
「……夕陽の、せいだ」
「…そだね」
赤く染まった顔を射し込む夕陽のせいにして、どちらともなく身を乗り出して再び唇を重ねた。
触れ合う指先は、未だ、震えていた。
***
初銀魂、初銀土、初3Z。
何だこれは。
一体どこの中学生ですかコラ。
純愛です。甘酸っぱい、甘じょっぱい。
まだupしてない自作題より。
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