プロローグ

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「回想も終わったことだし、話を戻そうか」  未だ立ち直れない俺を置いて、速水はポケットの中から一枚のカードを取り出した。 「天国には天使がいるって言うだろ? 実は俺もそうなんだ」  どうやら身分証明書のようなものらしく、自慢気に胸をはっている。 「……天使ぃ? アンタがぁ?」  現状をうまく呑み込めていないせいか、『人の話を信じられない症候群』になっている。  でも、こんなスーツ姿のオッサンが天使だなんて……天国はさぞ苦労してるんだなぁ。  つーか、天国だ地獄だなんて、俺は信じちゃいないわけで。
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