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目を開けても変わらない景色。
だから私は目を閉じる。
私は闇の中にいる。だけど暗くなんかない。
歌じゃできないことがあって、でもそれを歌でやりたくて、できなくて、だからどうすればいいかわからなくて、私は何もしなかった。
だけど世界で一番腹の立つヤツに教わったんだ。
考えるんじゃなくて、悩むんじゃなくて、考えてることも悩んでることも全部、歌詞に乗せて叫べばいい。
私を歌えばいい。
幕が開き、歓声とスポットライトが私を包む。
私は大きく息を吸い、信じるヤツしか救わない神を罵倒する歌詞を叫んでいた、弱い女の子の歌を叫んだ。
そして帽子のツバを持ち深くかぶり直しながら、今日が初披露のこの歌のタイトルを叫ぶ。
「Song of me whom you taught!!」
わざと崩した英語で歌っておく。
来れないとか言ってちゃっかり隠れて聴いちゃってるアイツに知られたら、すごく腹の立つ歌詞だからね。
-END-
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