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目を開けても変わらない景色。
だから私は目を閉じる。
私は闇の中にいる。暗い暗い闇の中。
だけど大丈夫。幕も開いてないのに騒いでいる歓声が、私の小さな胸を熱くするから。
暗くても大丈夫。とそう自分に言い聞かせる。
ステージの上。
私の心みたいに真っ黒なギターを強く握り締める。
やがて大きくなる歓声に幕が開いたのを知らされ、爆発するサウンドに身を揺らした。
弦が弾かれ、ドラムが響く。
そして私は、信じるヤツしか救わない神を罵倒する歌詞を叫びながら、静かに目を開けるんだ。
声が溢れ、場が沸騰する。その揺れるステージの上で、私は何かを叫び続けた……
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