序章~翔子side~

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「翔子、落ち着いて聞いてな?」 真夜中、お母さんの声で目が覚めた。 割と寝起きは良いほうやから、寝ぼけることもなく時計に目を向けたら夜中の3時を過ぎてる。 「涼ちゃんがな、さっき事故で亡くなった。」 は…? 何を言うてるん? 私まだ夢見てんのかな? それとも寝ぼけてる? 目の前のお母さんの顔は青くて、私の肩を掴む手は震えてて。 「何言うてるん…?」 お母さんに掴まれた肩からピリピリとした痛みが伝わってきて、あぁ、夢やないんやって気付いても、やっぱり信じられへん。 誰が…亡くなったって? 「さっき、涼ちゃんがバイトから帰る途中に…事故で…」 途切れ途切れにしゃべるお母さんの震えた声が頭に響く。 「嘘やんな…?」 「…うっ。」 「なぁ!お母さん!!」 自分の思ったより悲鳴に近い声で、びっくりした。
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