言葉の壁

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「―――――――」 玄関の方から何か聞こえたかと思うと、誰かが出て行った。 こんな朝早くからどこに行くのだろう。 「ねえ、ミカ。今誰が出て行ったの?」 隣で一緒に朝食をとっていたミカが何かを飲み込む仕草をした。 「多分悠太だよ。今日は野球の試合があるとか言ってたから」 「野球?ユウタって学校のクラブに入ってるんだ」 そう1人で納得していると、前から話しかけられた。 「違うのよ。悠太がしてるのはアマチュア野球なの。高校野球じゃないわ」 ミカやユウタの母親、ハナエさんだ。 温かいスープを静かに飲む姿にはどこか品がある。 「気になるなら行ってみたら?今日は2試合あるらしいからまだ間に合うわよ」 そう言ってハナエさんはスープを飲み干すと、朝食の片付けを始めた。 「「ごちそうさまでした」」 2人で手を重ね声を合わせる。 美味しかった。 日本食は慣れないと大変だなんて噂を聞いてたけどそんなことはなさそうだ。 「ミカ、部屋に行こうよ」 「そうだね。あ、でもちょっと先に行ってて」 そう言ってミカはどこかに行ってしまった。 私は頭の上にクエスチョンマークが浮かぶのを感じたけど、言われたとおり先にミカの部屋に向かった。
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