金髪の少女

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冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出すと、テーブルの上に置いてコップを取り出す。 俺はコップに水を注ぐと、一気に飲み干そうと口に当てたコップを傾ける。 その時、俺の目に何か見たことのないものが飛び込んできた。 それは風に揺れる小麦のようで、金色の髪の毛は太陽の光を浴びて輝いている。 「Hi,nice to meet you!」 俺の前には陽気に微笑む少女が立っていた。 傾けたコップからは水がこぼれ、俺と床を濡らす。 それでも俺は少女を見ていた。 初めて見る金髪の少女に俺は見入っていたのかもしれない。 「Nice to meet you.」 先ほどの言葉が通じてないと思ったのか、少女は少し首を傾げもう一度言った。 同時に右手を前に出す。 「あ、な、ナイストゥミーチュー、トゥー」 我に返った俺はそう返事をして少女の手を握った。 少女は満足したのか、握った手をブンブンと上下に振り始めた。 「ヨロシク!!」 少女の口から片言の日本語が紡がれる。 それがなぜか妙におかしくて、俺は笑いながら 「ああ、よろしく」 と言った。 突然のことで訳が分からないことだらけだったけれど。 俺と金髪の少女との出会いはこんな感じの出会いだった。
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