7人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「おもしろいお兄さんだね」
「そう?」
「うん、おもしろいよ」
場所は美佳の部屋。
美佳とケイトがベッドに腰掛けて話をしている。
勿論、英語である。
「日本に来た感想は?」
「想像以上!この街は綺麗だし空気もいいもの」
ケイトは満足そうにはにかむと言葉を付け加える。
「それに、ミカの家族も優しいしねっ」
「あはは。ありがと」
互いに笑顔を交わしあうとケイトは窓の外を眺めた。
日が沈もうとしている。
折り重なる山の間から差し込む夕陽が、ケイトや美佳だけでなく部屋全体をオレンジ色に染める。
「わあ、綺麗…」
あらゆる物がオレンジ色に染まり、一種の幻想的な空間がそこにあるように思えた。
「おーい、飯だってよー」
ふと、ノックの音と共に声が聞こえた。
あれは確かミカのお兄ちゃんのユウタの声のはず。
でも内容まではわからなかったけど。
「そろそろ晩御飯だって。行こう、ケイト」
そう言って美佳はベッドから立ち上がる。
つられてケイトも立ち上がり、ドアへと向かう。
「期待しててね。ウチのお母さん、料理の腕いいんだから」
「本当?それじゃ、期待してようかな」
2人が居間に着いた時はまだ準備は終わっていなかった。
が、ケイトの期待通り、数十分後には食卓に喜びの声が響くことになるのであった。
最初のコメントを投稿しよう!