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さくら幼稚園園庭の隅っこにある、倉庫の前で、二人の少年と、一人の少女の戦いの火蓋は切られた。
「俺達のコンビネーションを見せてやるぜ!みゅぽみゅぽおおおおおお!!!」
奇声を上げながら素早く動く二人は、左右から挟み撃ちにしようと図る。しかしありさは軽快なバックステップで挟み撃ちをことごとく避ける。
逃げる彼女を追撃しようと二人そろっては追いかけるが、これこそありさの第1の狙い、二人の間の距離を縮めてまとめる作戦だ。
「こっちよ!」
宙に浮いているかのようにふわっと流れる動きと木刀のリーチを生かし、敵と一定の距離を保って右へ左へ誘導するありさ。迫ってくる拳と顔は木刀で払う。
「手加減なしっていっておきながら逃げやがって!」
「それじゃあ必殺技を見せてあげようか」
一度様子を見ようと二人が立ち止まると、ありさは背を向けて走り出した。
「……な、何?」
教室ではまだ修くんが美幸の巧ましい胸を眺めていた。早織先生も彼女の筋肉は興味があった。美幸は柄にもなく頬を赤く染めていく。
「そんなに見ないでよ…」
何故か胸を両手で押さえて、少しにやけながら修くんを上目遣いで見る美幸。
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