スズメ

8/8
前へ
/8ページ
次へ
「そんな話と違うがな、マー君、銃持つ気ないか?」 叔父は座り、私の部屋のコタツに足を入れた 「おっちゃん、銃なんか持ってたんか」 「銃を持ってないんはお前のお父さんくらいや、一族はみんな銃を持ってるんやで」 「知らんかったわ」 「でな、ワシはもう年やし銃辞めよう思ってるんやけど、ワシの銃を貰ってくれんか?」 叔父は銃所持講習の申請書をコタツの上に置いた 「一日講習受けてテストに合格したら、実技テストで100発パンパン撃てば合格や」 私はベッドから起き上がりコタツの上の申請書を手に取った この先、結婚をして子どもが生まれ、その子どもが成長して結婚して孫が生まれ、そして年老いた私は孫の前でスズメを撃つ日が来るのだろうか? 「マー君、どうする?銃を持つ?持たない?」 私を見る叔父の目は、お前は必ず銃を持つ、という確信を帯びていた
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加