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神様とのこれからの行動を思案していると、ある事が大輔の頭によぎった。
「あのさ、多分だけど…、二人のいる場所ならわかるよ」
その言葉で神様が顔をあげる。
「本当に?!!」
「あぁ、今日は亜紀ちゃんと映画見に行く約束してたんだ。もしかしたら…」
最後まで言い終わらないうちに、神様が大輔の手を引っ張る。
「そうと決まれば、さっさと行きましょう!案内して大ちゃん!!」
キラキラと光を散らしたようなその笑顔を見て、大輔は今日の自分の運をひたすら呪った。
「だから、そんなにくっつくな!!」
腕にぴったりと張りついた神様を引き剥がした。
「なによぉ。そんなに彼女さんが大事なわけ?」
「当たり前だろ。」
「ふぅん…。一途だね」
いきなり声のトーンが落ちたのであわてて神様のほうを振り返る。
そこにはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべた神様がいた。
「てめえ…。後で覚えとけよ」
般若のような大輔を前にしても、ニヤニヤ笑いは収まらなかった。
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