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―1時間経過。
「全く現れないじゃないのよ!!!」
2杯目のりんごジュースを飲み干して、神様は叫んだ。
「そろそろだと思うんだけどなぁ…」
おもむろに大輔は、自分たちが入ってきた映画館の入り口を見た。
その時。
「お昼混んでたね」
「でも、美味しかったよね。やっぱ並んでよかった」
亜紀と「田村大輔」が現れた。
「あんにゃろう…亜紀ちゃんの肩に手を回しやがって………」
大輔の目は怒りに満ちていた。
「その手をどけろぉぉぉ!!!!!」
大輔が二人のもとへ駆け出した。
「あ、あの人?!」
亜紀が大輔を指差す。
「やべっ!亜紀逃げるよ!!」
田村大輔こと名前泥棒が叫ぶ。
名前泥棒は亜紀の手を引いて、全速力で2番のホールへと入った。
あわてて大輔たちも2番ホールへ入る。
「なんじゃこりゃあ?!!」
ホールの中は大輔の記憶とは違い、ホール同士が廊下で繋がっていた。
「さぁて、追いかけっこの始まりね」
神様が不敵な笑みを浮かべた。
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