盗んだ奴は一体誰だ?

5/5
前へ
/30ページ
次へ
―1時間経過。   「全く現れないじゃないのよ!!!」 2杯目のりんごジュースを飲み干して、神様は叫んだ。   「そろそろだと思うんだけどなぁ…」 おもむろに大輔は、自分たちが入ってきた映画館の入り口を見た。         その時。   「お昼混んでたね」   「でも、美味しかったよね。やっぱ並んでよかった」     亜紀と「田村大輔」が現れた。   「あんにゃろう…亜紀ちゃんの肩に手を回しやがって………」 大輔の目は怒りに満ちていた。   「その手をどけろぉぉぉ!!!!!」   大輔が二人のもとへ駆け出した。     「あ、あの人?!」 亜紀が大輔を指差す。   「やべっ!亜紀逃げるよ!!」 田村大輔こと名前泥棒が叫ぶ。     名前泥棒は亜紀の手を引いて、全速力で2番のホールへと入った。   あわてて大輔たちも2番ホールへ入る。       「なんじゃこりゃあ?!!」   ホールの中は大輔の記憶とは違い、ホール同士が廊下で繋がっていた。     「さぁて、追いかけっこの始まりね」 神様が不敵な笑みを浮かべた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加