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「ねぇっ…はぁ…、もう、疲れたよぉ…」
亜紀の言葉で一度立ち止まった。
もう1時間以上は走っている。
ここまでくれば、もう巻いたも同然だろう。
「付き合わせてごめんね、亜紀。もう出ようか」
彼がそう言うと、亜紀は明るさを取り戻した。
「次はどこに行こうか?」
「私、アイス食べたいなぁ」
「見つけたぞぉぉ!!!!!!」
その声に二人は振り返った。
後ろには大輔が迫ってきている。
「亜紀、出口まで走るよ!!」
名前泥棒は再び亜紀の手を引いた。
扉が目前まで迫る。
「勝った」と心の中で叫んだ。
「今だ!!」
大輔の言葉の意味が理解できたのは数秒後だった。
突如視界に現れた少女。
神様がハリセンを持って出口に構えていた。
「どぉおりゃあああ!!!!」
名前泥棒の顔にハリセンがクリーンヒットする。
たまらず地面に倒れこんだ。
彼らの前方に神様、後ろに大輔が立ちはだかる。
「覚悟しろ…名前泥棒!!」
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