名前泥棒のなくしもの

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偶然近くにあったロープで名前泥棒を縛りあげた。   「ちょっと、何なんですかあなた達?!!」 亜紀が怒鳴る。   「大ちゃん、ごめん」 神様が言った。   そして亜紀の前に立ち、右手を彼女に向けた。   ふわり、と光が舞い散り、亜紀が倒れこむ。 それを神様が抱き留めた。   「おい!!何したんだよ?!!」 「説明めんどくさいから眠ってもらった。しばらくしたら目覚めるよ」   神様の顔を見たあと、大輔は名前泥棒を睨み付けた。   「一応聞くが、お前は何物だ?」                 「なんで?!!」 水晶玉を覗き込んで、神様は叫んだ。   「どうした?」   「あいつの名前が出てこない…」 相当驚いたのか、声が小さかった。   「そんなこと、ありえるのか?」 大輔が尋ねる。   「あるとしたら可能性は3つ。 ひとつは、あいつが本当に『田村大輔』という名前を持っていた場合。   もうひとつは、あいつが天国ではなく地獄の者だった場合。 でもそうだったら、天国で事件になるからそれはない。   最後は…、 あいつが人ではない場合。」
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