11人が本棚に入れています
本棚に追加
偶然近くにあったロープで名前泥棒を縛りあげた。
「ちょっと、何なんですかあなた達?!!」
亜紀が怒鳴る。
「大ちゃん、ごめん」
神様が言った。
そして亜紀の前に立ち、右手を彼女に向けた。
ふわり、と光が舞い散り、亜紀が倒れこむ。
それを神様が抱き留めた。
「おい!!何したんだよ?!!」
「説明めんどくさいから眠ってもらった。しばらくしたら目覚めるよ」
神様の顔を見たあと、大輔は名前泥棒を睨み付けた。
「一応聞くが、お前は何物だ?」
「なんで?!!」
水晶玉を覗き込んで、神様は叫んだ。
「どうした?」
「あいつの名前が出てこない…」
相当驚いたのか、声が小さかった。
「そんなこと、ありえるのか?」
大輔が尋ねる。
「あるとしたら可能性は3つ。
ひとつは、あいつが本当に『田村大輔』という名前を持っていた場合。
もうひとつは、あいつが天国ではなく地獄の者だった場合。
でもそうだったら、天国で事件になるからそれはない。
最後は…、
あいつが人ではない場合。」
最初のコメントを投稿しよう!