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「人ではないって…どういう意味だ?」
「前例がないからこれは仮説だけど、多分人ならざる生物が人間に変身して、名前泥棒をしている…」
神様が頭を抱えていた。
「でもこんなの聞いたことないわよ。人外の生物が人になりすますだけでもご法度なのに、まして名前泥棒なんて」
苛立ちを隠せず、神様は頭を掻き上げていた。
「とりあえず、あいつは俺が思ってる以上の罪人ってわけか…」
「大ちゃん、お願い。あいつを捕まえるのに協力して。」
神様が真剣な目で訴えてきた。
「俺も名前戻ってこないと困るし、仕方ない、か…。」
大輔が笑った。
「そこまで罪を犯して、あなたは地上に何をしにきたの?」
神様が名前泥棒に問った。
「僕は捜し物をしにきただけです。」
名前泥棒ははっきりと答えた。
「捜し物?」
大輔が呟く。
「お二人が僕の捜し物を手伝ってくれるなら、ちゃんと名前はお返しして、天国へ戻ると約束します。」
名前泥棒は二人の目を見て言った。
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