名前泥棒のなくしもの

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名前泥棒に案内されてやってきた場所。 それは…   「ここ、俺の大学じゃん!!」 大輔が目を見開いた。       遡ること30分前。   眠っている亜紀を一人置いていくには危ないので、神様は映画館に残った。   そして捜し物を見つけたら戻ってくる、という約束で、大輔と名前泥棒はここにやってきた。       「で、何を探すんだ?」 大輔が面倒臭そうに訊ねる。   「家です」 名前泥棒は確かにそう言った。     「…は?」 ここは大学のキャンパスの中だ。 家なんてあるはずがない。   「お前は何をすっとんきょうな事を…っておい!!」   大輔が言い掛けたとき、名前泥棒は走りだした。       「ちょ、何処行きやがる!!!」 必死に名前泥棒を追う。   ここまで来て逃げられたとなったら、たまったものではない。
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