被害届けは神様宛てに

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どうやら、俺の思考回路は完全にイってしまったらしい。   神様?ははっ、夢でも見てるのかな。 爽やかに笑っている俺の顔を、神様はハリセンで殴った。     「あんた、人が親切に出てきてやったのに現実逃避しないでよ!」   もう意味がわからない。 わからなすぎて現実逃避もしたくなる。       「あの…神様」   「ん?」 神様は俺を見上げた。     「これは夢ですか?」 そう言ったらまたハリセンで殴られた。   「現実に決まってるでしょ? あんたが彼女を田村大輔にとられたのも、 私が今あんたの前に立っているのも、 ハリセンで殴られたのも全部!」 神様は俺を睨み付けて叫んだ。   殴られた頬が痛みだす。 どうやら本当に現実らしい。   「マジですか…」 とりあえず、それしか言えなかった。
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