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しかし、隣の席の生徒は焦るような様子はなく、破れた部分に人差し指を置いて 「修復」 と呟いて、破れた部分にそって指を動かす すると破れた部分は綺麗に元通りになっていた (修復使えるのかよ……そりゃあそうだよな……『自』の基本だし……) 嶺は不貞腐れるように、また空を見た そして大きな溜め息をした キーンコーンカーンコーン…… 「はい。書くのを止めて、一番後ろの人は解答用紙を集めてきてください」 先生がそう言う 教室がガヤガヤと騒めき始めた 「また白紙かよ!」 嶺と同じ列の、後ろから回収をしている男子生徒が笑って言った 「うっせー!前にも言ったが……こんなもん俺の人生に関係ないんだよ!」 嶺は机に俯せになっては言った 「でもこのテスト『magic』にめっちゃ関係してるぞ?」 「『magic』だから俺には関係ねぇんだよ!ほら、先生待ってんぞ!」 「あ!やべ!」 その男子生徒は急いで回収しにいった 「……ったく……」 嶺は本日二度目の溜め息をした
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