翼のハナシ

11/23
前へ
/950ページ
次へ
そのままリビングに降りて、朝食を食べる。 お父さんは仕事で既にいなくて、兄さんはまだ部屋で眠っているみたいだった。 しばらくリビングのソファでくつろいでいると、僕ははっと気付いた。 『風呂はどうしよう?』 昨日は疲れてそのまま眠ってしまったので、入っていない。 今日入らないと気持ちが悪い。 でも誰かが入ってきたらと考えると、なかなか踏ん切りがつかない。 今は家には兄さんしかいないけれど、僕がバスルームにいるときに兄さんが顔を洗いにきたらどうしよう? 湯船に浸かっていれば分からないかも知れないけれど、シャワーを浴びているときは絶対にシルエットで分かってしまう。 悶々と僕が考えていると、兄さんが眠そうに欠伸をしてリビングに入ってきた。
/950ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加