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   俺が剣を始めたのは、八歳のときだった。  みねと会ったのは、それから一年ほど経ったころだっただろうか。  稽古の後、俺は一度家に帰ってからこっそりまた抜けだした。なんとなくだ。その頃、父母に内緒で何かをすることが少ない剣以外の楽しみの一つだったから。それがたとえ、ばれても責められることなどないとわかっていても。  俺はその日、川へ行った。屋敷から四半刻ほど歩いたところにある川だ。子どもの俺の足でそれほどなのだから、さほど遠いところではない。しかし、それまでほとんど足を運んだことがなかったのだ。  とても天気が良くて、まだ日は傾きかけた時間。その川は、光っていた。俺にとって、最初川はその程度のものだったのだ。  光が美しいとか、綺麗だとか。そんなことは思ったことがなかった。  あの子に、会うまでは。  ふと、視線をずらしたところに、小さな人がいた。古い、しかし上品な色の着物に身を包んだ女子。  本当に小さくて、きっとその時気付かなければまったく気付かずに、俺が彼女に会うこともなかったのだろう。  
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