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今日僕は友人を殺した……
気がつくと友人が死んでいた。そいつは人じゃない……
見れば解るが、悪魔のような翼を生やし爪や牙がむき出しになっている。
「なんだ……」
まるで夢を見ているかのような光景に混乱した。
友人の腹の中心には穴があいてそこには自分の手が突き抜けている。
なんだ…どうして…
疑問の言葉しか浮かばない頭は意識をなくした。
ジリリリリリリリリ!!
いつもの朝に鳴る枕元の奴が騒ぎ初めた。
時間はジャスト7:00、起きると同時にあれ??という二文字が頭から飛び出す。
「夢…だったのか?」
柳 つかさは、思った。
冷静に考えてそんな事が起こるはずがないこんな夢ぐらい何回も見てきた。
彼は指定外かばんを手に取り家の階段をおりた。
「おはよう」
家族はいつもどうりの返事を返してくる。
母は朝食を作りながら返事をする。
父は眠そうにカーペットの上で出勤ギリギリまでゴロゴロしている。
そしていつもどうり俺の席には猫のキャミが丸くなっていた。
「キャミ、ご飯食べるからどいて」
通じるわけでもないのに話しかけると、キャミは嬉しそうによってくる。
たぶんこんなに人になついた猫を飼っているのは家ぐらいだろう。
家の朝ご飯は、ご飯、味噌汁、アジの干物やパン、スープ、スクランブルエッグといった普通のご飯ではない。
ご飯、コーンスープ、シュウマイ、プラス昨日の残り物で食べ物の寄せ集めだ。
つかさは食べ終わるとすぐに学校に向かった。
なぜかは解らないが今が一番学校が楽しいからだ。
いつもの待ち合わせ場所で幼稚園の頃からの親友の田嶋を待つ。
10分ぐらいたって田嶋が現れた。
「ウィッス!!今日は早いね。きっと雨が降るぞ~」
…と人をからかうのは田嶋の一番の特徴だった。
「今は梅雨じゃないから降るわけないだろ!!」
こいつにからかわれるのは不思議な事にムカつかない。慣れだろうか?
「でもさ…今日雨が降るって天気予報で言ったけど…」
と傘を見せる田嶋
「まぁ折りたたみがあるから大丈夫だろ」
いつもどうりの朝は、今までのように変わる事がないと思っていた……
教室に入るまでは……
夢の中で殺した大和が教室にはいなかった。
「大和の奴…風邪か??」
田嶋がつかさに聞くと、一瞬凍り付いたかのようにつかさの動きが止まった。
「あ…たぶん」
会話はそこで途切れた。
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