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「ルドルフ、あなたは私に優しく接するするのは、自分の罪滅ぼしのため?
大勢のユダヤ人の命を簡単に奪うくせに…。
ゲットーで、住民に食べ物の施ししていたのもそう。一時的な救済になるけど、根本的には何も解決していないじゃない?
善行をすれば、罪は払拭されるとでも思っているの?
あなたは単なる偽善者よ!」
彼に思っている事全てを大声で叫ぶようにぶつけ、何故か私の目から涙が溢れて止まらなかった。
彼に対して怒りや憎しみより、私の中にあるのは裏切られた悲しみ。
忘れ去っていたのに、甦る彼への熱い想い…。
自分の気持ちの整理も、感情もコントロールできずにいた。
そんな私の言葉に、自分の核心を突かれたのか、ルドルフは強く拳をドアに叩きつけ、その音と感情的になった彼の姿に驚き、体がビクッと飛び上がった。
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