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話は2週間近く前になる。
我々三組は卒パの出し物を決めあぐねていた。
というか、不気味な沈黙を守った奴等がいたのだ。
雪村 杏と花咲 茜である。(また何を考えているのやら)
このふたりがこの手のイベントを見逃す訳がない。
それは不安と期待が混ざった矛盾した感情からきた感想だ。
正直、私も期待せざるを得なかったのだ。
この時までは。
そしてその手は静かに挙げられた。
やっときたかとクラスの意識がそちらに向かう。
手を挙げたのは雪村、何とも邪悪な笑みを浮かべている。
そして、その小さな口は告げる。
「セクシー・パジャマ・パーティーを提案するわ」
・
・
・
・
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はい?
なんだそれはと呆けている間に話はトントン拍子で進み、
「じゃあ、決定と言うことで」
「はい、拍手~」
教室に響く拍手の音で我に帰っても時既に遅く、出し物は決まってしまった。
明らかに嫌な予感を感じさせながらも、詳しい話は進んでいき、私にはそれを止める術はなかったのだった。
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