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「俺はお前の給仕係でも何でもないっ!
毎日毎日、何杯も何杯も紅茶ばっかりいれさせやがってっ!!」
その少年の怒りの度合いを表すように、段々と少年の顔が赤くなっていく。
「聞いてるのか、アドリアルっ!!」
遂にしびれを切らしたらしい少年は、目の前にいた青年にビシッと指を突き刺す。
まるで 少年の声など聞こえていないかのように優雅に紅茶を飲んでいたその青年は、ようやく少年に目だけを向ける。
その口許が、ニヤリと上げられた。
「ほざくなよ?
人間風情が」
凄絶な笑みを浮かべながら、アドリアルと呼ばれた青年は 次に少年の方に椅子ごと体を向ける。
「この俺様が憑いてやっているんだ。
これくらい当然というものだろう、ルーシェス?」
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