エピローグ

4/4
前へ
/106ページ
次へ
アドリアルは頬杖をついていた手を外すと 何か文句があるか? とばかりに少年──ルーシェスを見る。 その視線に、一瞬だけルーシェスは戸惑ったように体を揺らした後 「あるに決まってるだろ! 紅茶が飲みたいなら、他の誰かに頼め! この王宮の誰かに頼めば、涙を流しながらいれてくれるからな!」 どうだ!とばかりにふんぞりかえる。 しかし。 アドリアルは小馬鹿にしたように笑ってから 「他の者の入れる紅茶は不味い。 お前のよく言う適材適所というものだ」 ん?と反論などないだろうとばかりに紅茶を口に含む。 その瞬間。 「ぬるい いれなおせ、ルーシェス」 突き返された紅茶のカップに、ルーシェスの堪忍袋の尾は切れた。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加