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“神憑き”と呼ばれる存在がいる。 至高の存在である神と人間。 一見相入れない存在であるその双方が、互いを認めて利害を共有する。 そんな奇跡を生み出した存在を“神憑き”と呼んでいた。 “神憑き”は奇跡の人として呼びならわされ、只人に敬われていた。 そして、そんな栄光を一身に背負った少年がいた。 その名は ルーシェス 。 他の神憑きよりも目立つ位にいたために、その少年への敬意は他を逸していた。 そんな彼の位とは── 大国 イルカンタ王国の第1王子である。 地位と栄光。 それから神憑きという栄誉。 それらが揃った第1王子を、人々は誉めそやした。
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