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雅斗は無言でうなずくと身体を運転席にもどした。
挿したままの車のキーを回してエンジンをかけると、車をそろそろと動かしはじめた。
……
瑠香はただ前を見ている。
二人は無言のまましばらく車を走らせた……。
こんな時に話すべき話題を二人は持っていなかった……。
瑠香はなかなか考えがまとまらない……。
様々な考えが浮かぶのだが、とたんにそれを打ち消すかのような考えが浮かぶ……。
『雅斗くん、大好きだよ……。
でも……。
私でいいの……?
私はそれでいいの……?
さっきだって、苦しくなるくらいに、うれしかったよ……。
涙が出そうだった……。
でも……。
でも……私は……』
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