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「くっくっく……
ソドムを思い出すな……」
細身の男は、蝋人形のように白く端正で綺麗な顔に似合わない下品な笑いを漏らしながらつぶやいた。
【ソドム】
旧約聖書・創世記に登場する退廃の町。
かつては自由で活気の溢れる町であった。
しかし、人間の欲望と堕落によって退廃が進み人々は遊びにうつつをぬかし、
旅人の身ぐるみをはがし、乱交の対象にするほどまでに落ちぶれた……。
そして神の怒りをかい、硫黄の火によって滅ぼされたとされている。
紀元前18世紀頃に死海のほとりにあったとされる町の名前だ。
……
一方、筋肉質の大男は鼻をひくつかせながら赤ら顔をしかめている。
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