第一章~訪問者~

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 ねぇ、覚えてる? あなたと、ずっと前に約束したのよ。  私たち、必ずまた逢うんだ、って。  だから私はずっと、あなたを探していたの。  何度離れても、どれほど永い間会えなくても、あなたを見つけられる、あなたもきっと私を見つけてくれる。  私にはそれがわかっていたの。  そしてやっと、見つけた。  あなたの姿を見つけた瞬間、時間が止まって、まわりの世界がきらきら、金色に変わっていくような歓びを感じたわ。  あなたに逢えたことがただ嬉しくて、ほかに何も要らないくらいだったのよ。    それなのに。  どうして……。    
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